セミナー 安全保障研究グループ

シンポジウム「ウクライナ侵攻と増大する核リスク」

~広島サミットに向けて~

主催:公益財団法人 笹川平和財団
 2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻してから、二つの核リスクが世界で認識されています。一つは原子力施設への攻撃がもたらす大規模な放射性物質の放出リスクです。ロシアは侵攻後、国際人道法で禁止され、これまでタブーとされてきた民生用原子力施設への攻撃と占拠という暴挙に出ました。もう一つは核兵器使用のリスクです。プーチン大統領は侵攻開始以降、核の恫喝という許されない行為を繰り返したばかりでなく、隣国ベラルーシへの戦術核の配備を進めようとしています。さらには、米国との間で締結され、現在唯一有効な軍備管理条約である新戦略兵器削減条約(新スタート)の履行停止を一方的に表明しました。

 このような状況の中、当財団では、2021年度から実施してきた「原子力の安全保障研究」事業で設立した研究会において、本年2月、戦時下の原子力施設の保護の在り方について政策提言『原子力施設の保護と日本の役割~ロシアによるウクライナ侵攻と原発攻撃をうけて~』を作成し、公表しました。また、昨年8月、ニューヨークで開催された核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に研究会座長や事業担当の研究員が参加し、核を取り巻く国際情勢や核軍縮の現状について調査活動を行いました。

 本シンポジウムでは、これまでの取り組みを踏まえながら、日本が議長国を務め、被爆地・広島市で開催されるG7サミットを前に、国内外から核をめぐる諸問題の専門家を招いて討論を行い、戦時下における原子力施設の保護や核軍縮の前進にむけて、G7として訴えるべきこと、その中での日本の役割について考えます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

お申込み

​​​​​​今回のイベントは、会場参加とオンライン参加のお申込みを承っております。会場参加は120人が定員となっているため、満員に達した場合はオンライン参加でお申込みください。
 
事務局
笹川平和財団 安全保障研究グループ
Email:anpo-event@spf.or.jp
Tel:03-5157-5209

※取材についてのお問い合わせはコミュニケーション企画部広報課へお願いいたします。
Email:spfpr@spf.or.jp
Tel:03-5157-5389

プログラム

15:00 開会挨拶
茶野順子(笹川平和財団 常務理事)
15:05 登壇者紹介
小林祐喜(笹川平和財団安全保障研究グループ 研究員)
15:10 政策提言の説明
鈴木達治郎氏
15:20 提言に対するコメント
スコット・ローカー氏 ロス・マツキン氏
15:30 パネルディスカッション
スコット・ローカー氏
ロス・マツキン氏
鈴木達治郎氏
太田昌克氏

廣瀬陽子氏
16:20 質疑応答
16:30 閉会

講演者

スコット・ローカー氏
講演者

スコット・ローカー氏

核脅威イニシアティブ(Nuclear Threat Initiative、NTI) 核物質防護部門 副長

プロフィール

2014年から17年まで、米国の安全保障政策における最高諮問機関である国家安全保障会議(NSC)で、核の脅威削減部門のディレクターを務める。その後、エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)で、核物質の移動を管理する部局のディレクターを歴任しました。2021年からNTIの核物質防護部門の副長。ジョージ・ワシントン大学・国際関係論の修士号を取得している。ジョージ・タウン大学外交論の修士号を取得している。

ロス・マツキン・ブリジャー氏
ディスカッサント

ロス・マツキン・ブリジャー氏

核脅威イニシアティブ(Nuclear Threat Initiative、NTI) 核物質防護部門 シニアディレクター

プロフィール

2016年から2021年まで、東京の在日米国大使館でエネルギー部門の専門官(アタシェ)を務める。続いて米国エネルギー省で、エネルギーに関する国際問題のシニアアドバイザーを歴任。2022年から、NTIの核物質防護部門のシニアディレクター。

鈴木達治郎(すずき たつじろう)氏
ディスカッサント

鈴木達治郎(すずき たつじろう)氏

長崎大学核兵器廃絶研究センター 副センター長

プロフィール

1975年東京大学工学部原子力工学科卒。78年マサチューセッツ工科大学プログラム修士修了。工学博士(東京大学)。専門は原子力政策、科学技術社会論。2010年1月から2014年3月まで原子力委員会委員長代理、2015年4月よりRECNAセンター長を務め、2019年4月より現職。国際核物質専門家パネル(IPFM)共同議長、核廃絶を目的とする科学者グループ「パグウォッシュ会議」評議員。

太田昌克(おおた まさかつ)氏
ディスカッサント

太田昌克(おおた まさかつ)氏

共同通信社 編集委員・論説委員

プロフィール

1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。共同通信社入社。広島支局、政治
部などを経て2003~07年までワシントン特派員。06年度ボーン・上田記念国際記
者賞を受賞。10年に政策研究大学院大学(GRIPS)から博士号取得(政策研究)。
早稲田大、長崎大客員教授。核問題で10冊を超す著作。最新著に『日米中枢9
人の3・11』(かもがわ出版)。

廣瀬陽子(ひろせ ようこ)氏
ディスカッサント

廣瀬陽子(ひろせ ようこ)氏

慶應義塾大学総合政策学部 教授

プロフィール

1995年 慶應義塾大学総合政策学部卒業。2001年東京大学法学政治学研究科大学院単位取得退学。2006年慶應義塾大学大学院制作メディア研究かにて博士号(論文)を取得。東京外国語大学大学院地域文化研究科准教授、静岡県立大学国際関係学部准教授などを経て、2016年から現職。近著は『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代新書、2021年)など。

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